読書感想文は「序論・本論・結論」の3部構成で書きます。本文の字数は、青少年読書感想文全国コンクールの規定で小学校低学年800字以内、中学年・高学年1,200字以内、中学校・高等学校2,000字以内(題名・学校名・氏名は字数に数えません)。
うまく書けない原因のほとんどは、文章力ではなく読む前・読みながらの準備が足りないことです。本選び→メモを取りながら読む→読書ノートに材料を集める→構成に沿って書く、の4ステップで進めれば、書く作業自体は最後の1日で終わります。
以下では4ステップの手順、学年別の字数ルール、書き出しのパターン、やりがちな失敗までまとめます。
読書感想文の書き方は4ステップ

- 本を選ぶ……自分の経験や興味とつながる本を、読み切れる長さで選ぶ
- メモを取りながら読む……心が動いた場所にふせんを貼る
- 読書ノートに材料を集める……引用・登場人物・自分の考えを書き出す
- 序論・本論・結論で組み立てる……構成を決めてから原稿用紙に書く
時間配分の目安は、1〜3が全体の7割、4が3割です。書き始めてから手が止まるのは、ほぼ材料不足が原因です。
ステップ1:読書感想文に向く本の選び方
本選びは、読書感想文の出来を大きく左右します。基準は次の3つです。
- 自分の経験や興味とつながる本……書ける内容が自然に出てくる
- 課題の期間内に読み切れる長さの本……残り日数から逆算して選ぶ
- 自分の学年で無理なく読めるレベルの本……内容が理解できないと感想が書けない
迷ったら、学校の先生や図書館の司書に相談するのが確実です。「こういうことに興味がある」と伝えると、学年に合った候補を出してもらえます。
「読みたい本が思いつかない」段階なら、読むべき本の選び方もあわせて参考にしてください。
ステップ2:メモを取りながら読む
読書感想文のための読書は、速く読む必要がありません。心が動いた場所でいったん止まり、ふせんを貼るのが基本です。
読みながら書き留めておくのは次の4点です。
- 心に残った文(そのまま引用できるように、ページ番号もメモ)
- 主な登場人物と、その人がどう変わったか
- 物語の舞台や時代
- 読みながら浮かんだ疑問(「なぜこの人はこうしたのか」など)
とくに大事なのは4つ目の疑問です。疑問は、そのまま感想文の中心テーマになります。「わからなかった」で終わらせず、自分なりの答えを考えておくと、本論が一気に書きやすくなります。
ステップ3:読書ノートに材料を集める
読み終わったら、ふせんを貼った箇所をノートに書き出します。ここで集めた材料が、そのまま感想文の中身になります。
読書ノートに書くのは次の項目です。
- 本のタイトルと著者名
- この本を選んだ理由
- 心に残った文と、そのページ番号
- その文を読んで自分が思ったこと
- 自分の経験で似ていること
4つ目と5つ目が、他の人には書けない部分です。あらすじは調べれば誰でも書けますが、「その文を読んで自分がどう思ったか」は自分にしか書けません。ここを厚くするほど、読書感想文らしくなります。
ステップ4:序論・本論・結論で組み立てる
いきなり原稿用紙に向かわず、3つのまとまりに割り振ってから書き始めます。字数配分の目安は次のとおりです。
| 構成 | 書くこと | 字数の目安 |
|---|---|---|
| 序論 | この本を選んだ理由/本のあらましを短く | 全体の1〜2割 |
| 本論 | 心に残った場面と、その理由/自分の経験と重ねた話/読みながら浮かんだ疑問と自分の答え | 全体の6〜7割 |
| 結論 | 読む前と後で何が変わったか/これからどうしたいか | 全体の2割 |
本論は、心に残った場面を2〜3個に絞ると書きやすくなります。1つの場面につき「引用→自分の感想→自分の経験」の順で書くと、それだけで300〜500字が埋まります。
書き終えたら必ず読み返し、誤字脱字を直します。声に出して読むと、意味の通らない文がすぐ見つかります。
読書感想文の字数と原稿用紙のルール【学年別】
字数の基準になるのが、毎日新聞社と全国学校図書館協議会が主催する青少年読書感想文全国コンクールの応募規定です。学校の宿題でも、この字数に合わせて出題されることが多くあります。
| 区分 | 本文の字数 | 400字詰め原稿用紙の目安 |
|---|---|---|
| 小学校低学年(1・2年) | 800字以内 | 2枚以内 |
| 小学校中学年(3・4年) | 1,200字以内 | 3枚以内 |
| 小学校高学年(5・6年) | 1,200字以内 | 3枚以内 |
| 中学校 | 2,000字以内 | 5枚以内 |
| 高等学校 | 2,000字以内 | 5枚以内 |
字数は青少年読書感想文全国コンクール「応募要項」によります。同要項では、あわせて次の点も定められています。
- 題名・学校名・氏名は字数に数えない
- 句読点はそれぞれ1字に数える
- 原稿用紙の大きさ・字詰めに規定はない(原稿用紙を使い、縦書きで自筆する)
なお、コンクールへの応募は学校を通じて行うもので、個人からの直接応募は受け付けられていません。学校の宿題として書く場合は、先生から配られたプリントの指定(枚数・書き方)が最優先です。上の表はあくまで目安として使ってください。
原稿用紙の一般的な使い方
コンクールの要項に細かい書式の指定はありませんが、学校では次の書き方が一般的です。学校の指示があればそちらに従ってください。
- 1行目に題名を、上を2〜3マス空けて書く
- 2行目に学年・氏名を、下を1〜2マス空けて書く
- 本文は3行目から、1マス下げて書き始める
- 段落を変えるときは改行し、必ず1マス下げる
- 句読点・かぎかっこはそれぞれ1マス使う。行の先頭に句読点が来るときは、前の行の最後のマスに一緒に入れる
読書感想文の書き出しパターン4つ
最初の一行で止まる人が多いところです。次の4つのどれかに当てはめると動き出せます。
- 本を選んだ理由から……「わたしがこの本を選んだのは、去年ひとりで自転車に乗れるようになったからだ。」
- 心に残った一文の引用から……「『それでも、ぼくは行く。』この一文が頭から離れなかった。」
- 自分への問いかけから……「もし自分が主人公と同じ立場だったら、同じ選択ができただろうか。」
- 読む前の予想とのギャップから……「表紙を見たときは楽しい話だと思っていた。読み終えた今は違う。」
いずれも共通するのは、あらすじから始めないことです。あらすじで始めると、そのまま最後まであらすじで終わりがちになります。
読書感想文でやりがちな失敗3つ
1. あらすじが半分以上を占めてしまう
いちばん多い失敗です。あらすじは3〜5行で足ります。読み手(先生)はその本を知っている前提で読むので、要約の上手さは評価の対象になりません。
2. 「思いました」「感動しました」で終わる
感想を書いたつもりでも、これだけでは中身が伝わりません。「なぜそう思ったのか」を一段掘り下げ、自分の経験とつなげます。「感動しました」→「自分も去年、同じように友だちと仲直りできなかったことを思い出した」のように具体化すると、一気に読書感想文らしくなります。
3. 最後まで自分の話が出てこない
読書感想文は本の紹介文ではありません。本と自分の接点を書くのが目的です。結論では「読む前と後で自分の何が変わったか」を必ず1つ書いてください。
監修者の視点:書く前の準備が7割
田中寛大大学院で論文を書いていた頃も、いまBOOK CRUNCHの企画を組むときも、いちばん時間がかかるのは書く作業ではなく、書く前に材料を集める作業です。読書感想文も同じ構造をしています。
読み終えてから何を書こうか考えると、たいてい手が止まります。読みながら「ここは自分の話につながりそうだ」と思った箇所にふせんを貼っておくだけで、書き出しの一行が決まりやすくなる傾向が見受けられます。
あらすじが長くなってしまうのは、材料が足りないときの逃げ方です。ふせんが5枚あれば、あらすじは3行で足ります。読む前に「ふせんを5枚貼る」と決めておくのが、いちばん手軽な準備です。
読書感想文に関するよくある質問
- 読書感想文は何字書けばいいですか?
-
青少年読書感想文全国コンクールの応募要項では、本文が小学校低学年800字以内、小学校中学年・高学年1,200字以内、中学校・高等学校2,000字以内と定められています。400字詰め原稿用紙なら順に2枚・3枚・5枚が上限の目安です。題名・学校名・氏名は字数に数えず、句読点はそれぞれ1字と数えます。学校の宿題では先生の指定が優先です。
- 読書感想文の構成はどうすればいいですか?
-
序論・本論・結論の3部構成にします。序論でこの本を選んだ理由を、本論で心に残った場面と自分の経験を、結論で読む前と後で何が変わったかを書きます。字数の配分は序論1〜2割、本論6〜7割、結論2割が目安です。
- 読書感想文の書き出しはどう書けばいいですか?
-
あらすじ以外の4パターンから選ぶと決まりやすくなります。①本を選んだ理由から書く、②心に残った一文を引用して始める、③自分への問いかけから始める、④読む前の予想と読後のギャップから始める、の4つです。あらすじで始めると、最後まであらすじで終わりがちになります。
- 中学生の読書感想文で気をつけることは何ですか?
-
あらすじを短くし、自分の考えを厚く書くことです。中学校の部は本文2,000字以内(400字詰め原稿用紙で5枚以内)なので、心に残った場面を2〜3個に絞り、1場面ごとに「引用→自分の感想→自分の経験」の順で書くと字数が自然に埋まります。
- 読書感想文で改行はどうすればいいですか?
-
段落が変わるところで改行し、行の最初を1マス下げます。会話文を引用するときも改行して書くのが一般的です。改行が多すぎると内容が薄く見えるため、1つの話題がまとまるごとに区切るのが目安です。
- 読書感想文に向いている本の選び方は?
-
自分が実際に体験したことや、日ごろ興味を持っている分野とつながる本を選ぶのがコツです。あわせて、課題の期間内に読み切れる長さか、自分の学年で無理なく読めるレベルかも確認します。迷ったら学校の先生や図書館の司書に相談すると、学年に合った候補を出してもらえます。
読書感想文は準備さえすれば1日で書ける
読書感想文でつまずく原因は、文章力ではなく材料不足です。ふせんを貼りながら読み、読書ノートに書き出しておけば、あとは序論・本論・結論に振り分けるだけで形になります。
字数の目安は小学校低学年800字、中学年・高学年1,200字、中学校・高等学校2,000字。あらすじは短く、自分の経験を厚く。この2点を守れば、苦手意識があっても最後まで書き切れます。
本を読むこと自体が苦手な場合は、小説の読み方のコツもあわせて読んでみてください。











