近年、ITエンジニアの需要が高まり、安定したキャリアを目指してプログラミング学習を始める人が増えています。
その中で、「プログラミングを学ぶのに本はいらないのでは?」という意見を目にすることも少なくありません。しかし、「プログラミングには参考書がいらない」と断言するのは早計かもしれません。
本記事では、「プログラミングに本はいらない」といわれる理由と、参考書を活用するメリット、そして初心者におすすめの3冊について現役エンジニアが解説します。
目次
プログラミングに参考書はいらないといわれる理由
「プログラミング いらない」と検索すると、参考書を使わなくても学べるという意見が多く見受けられます。
確かに、本を使わなくてもある程度の知識を得る方法は増えてきましたが、それだけではカバーできない部分もあるのです。
検索すればすぐにわかるため
今やインターネットで検索すれば、プログラミングに関する情報は無料で簡単に手に入ります。
情報が豊富で、スマートフォンでも学べるため、「わざわざ本を買う必要はない」「プログラミングに参考書はいらない」と感じる人が多いのも事実です。
オンライン学習サイト・動画教材が普及したため
プログラミングを学べるサイトや動画教材の充実により、学習の選択肢が広がっています。
手軽に学べる環境が整ってきたことで、「プログラミングには書籍はいらない」と思われるようになりました。
特に初心者には動画の方が理解しやすく、「プログラミング本はいらない派」の後押しとなっているようです。
費用がかかるため
参考書は1冊で数千円するものも多く、複数冊購入すると負担が大きくなります。一方で、インターネット検索や無料教材を活用すれば、コストを抑えて学習できます。
そのため、「プログラミングに本はいらない」「自己投資としてはコスパが悪い」と感じる人もいます。
プログラム言語や環境が頻繁に更新されるため
プログラミングの世界では、言語やフレームワークのアップデートが頻繁に行われます。
書籍の内容がすぐに古くなる可能性があるため、「更新に追いつけない本はプログラミングにはいらない」という主張も理解できます。
実践的な経験が重要であるため
プログラミングは実際にコードを書くことで身につくスキルです。
「読んでも身につかない」「理論より実践」という考え方から、参考書がいらないとする意見もあります。
AIの発達によりプログラミングがいらないと感じる人が増えたため
近年では、ChatGPTをはじめとする生成AIやコード補完ツールの進化が著しく、AIが自動でコードを書いてくれる時代になりつつあります。特に簡単なプログラムであれば、プロンプトを入力するだけである程度のアプリや機能が実装できるようになってきました。
このような背景から、「プログラミングの知識はもういらないのでは?」「AIがあれば十分」と感じる人も増えています。とはいえ、AIが生成したコードの意味を理解したり、修正したりする力がなければ、実用には耐えない場面も多くあります。そのため、AIが登場した今でも、基本的なプログラミングスキルの重要性は変わらないといえるでしょう。
プログラミング学習で参考書を活用するメリット
「プログラミングには参考書がいらない」といわれる一方で、本を活用することで得られるメリットも明確に存在します。
体系的な知識を得られる
インターネットでは断片的な知識が多く、情報の繋がりを理解するのが難しいことがあります。
本を使えば知識を体系的に学べるため、初心者が「プログラミングって何から始めればいいの?」と迷った時に最適です。
この点からも、「本はいらない」とは言い切れない要素があります。
基礎知識以上の専門知識が得られる
オンライン教材ではカバーしきれない深い内容を学べるのも書籍の魅力です。
コードの設計思想やコメントの書き方など、専門性の高い内容に触れたいなら「プログラミングに本はむしろ必要」といえるでしょう。
理論的な知識を得られる
プログラミングの本では、アルゴリズムやデータ構造といった理論的な背景も丁寧に解説されています。
実践重視で「本はいらない」という意見がある一方で、基礎理論を知っておくことは大きな武器になります。
短期間で基礎を固められる
目的に応じた参考書を選べば、効率的に必要な知識を習得できます。
「プログラミング学習に遠回りはしたくない」という人にとって、本は手っ取り早く基礎を固める手段となり得ます。
全体像を掴める
書籍を通じて、言語の全体像やフレームワークの構成を理解できます。
プログラミングを一から体系的に学びたい人には、「いらない」と切り捨てるのではなく、書籍を活用する姿勢が必要です。
信頼できる
ネットの情報は正確性に欠ける場合もあります。
「情報の取捨選択が難しい」「間違った知識で学習したくない」なら、信頼性の高い書籍を選ぶことが有効です。
オフラインで学習できる
オフライン環境での学習にも強いのが書籍の魅力です。
「電車の中でも学びたい」「ネットがない環境でも続けたい」という方にとっては、書籍を手元に置いておく選択肢が有効です。
プログラミング本おすすめ3冊!初心者が最初に買うべき参考書
プログラミングをこれから始める方にとって、「いらない情報」に振り回されず、役立つ参考書を選ぶことが大切です。
ここでは、初心者向けのおすすめ本を3冊紹介します。
プログラムはなぜ動くのか
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プログラムにまったく触れたことがない初心者は、「プログラミング」と聞いても具体的なイメージが湧かないことが多いでしょう。そうした方にとって、いきなり実践的な学習に進むのではなく、まず「なぜプログラムは動くのか?」という基本から理解することが重要です。この書籍では、CPUやデータ構造、OSといった基礎知識を丁寧に解説しています。
インターネットで調べれば一見情報は得られるため「プログラミングに本はいらない」と思いがちですが、断片的な情報では理解しにくい全体像を、本書なら体系的に学ぶことができます。これからプログラミングを始める人にとって、最初に読むべき一冊です。
プログラミング入門講座-基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業-
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この本は、プログラムの基本構造と考え方をしっかりと理解したい人向けの入門書です。本質的な思考法を身につけるためには、本書のような教材が有効です。
単にコードを書くのではなく、目的達成のためにどうコンピュータに指示を出すかという“考える力”が鍛えられます。動画やネット情報だけでは補えない、思考の筋道を体得できる一冊です。プログラミング学習において“書く前に考える”という習慣を身につけたい方におすすめです。
リーダブルコード
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「誰が読んでもわかるコードを書く」という意識は、初学者のうちから身につけておきたい重要なスキルです。リーダブルコードは、コメントの使い方や変数名の付け方など、実際に書くコードをより“読みやすく”するための考え方がまとめられています。
実践中心の学習スタイルが広まり「プログラミングに参考書はいらない」とされがちですが、自己流の癖がついてしまう前に、正しい書き方を学ぶことは非常に大切です。初心者だけでなく、経験を積んだエンジニアにも再読されているロングセラーです。
まとめ:プログラミングに本は「いらない」と言い切れない
この記事では「プログラミングには本がいらない」といわれる理由と、参考書を使った学習のメリットを解説しました。
インターネットや動画教材が主流の今だからこそ、いらないと思いがちですが、書籍にも揺るがない価値があります。
「プログラミングには何が必要で、何がいらないのか?」を自分自身で判断できるよう、複数の学習手段を比較して、自分に合った方法を見つけましょう。
なお、以下の記事では、未経験からエンジニアになるための幅広い学習方法やポイントについて解説しておりますので、ぜひこちらの記事と合わせてご確認ください。
未経験からエンジニア転職は難しい?学習方法や転職のポイントを解説|活学キャリア (株式会社ラストデータ)