読書のコツは「本を選ぶ・時間を作る・読み方を変える」の3つに整理できます。最初にやることは1つで、読む時間を先に決めてしまうこと。気合いや速読術より、10分の枠を確保するほうが確実に読めます。
この記事では、3分類に沿った具体的なコツ12個と、続かない原因のデータ、読書で得られるものをまとめます。全部やる必要はありません。詰まっているところに当たる項目から試してください。
読書のコツ12選【3分類の一覧】

読書が続かない理由は、本選び・時間・読み方のどこかに原因があります。まず一覧で自分の詰まりどころを探してください。
| 分類 | コツ | 効く場面 |
|---|---|---|
| 本を選ぶ | ①目的を1つ決める ②興味のあるジャンルから選ぶ ③図やイラストの多い本を選ぶ ④薄い本から始める | 何を読めばいいか分からない |
| 時間を作る | ⑤読む時間を先に決める ⑥隙間時間の10〜20分を使う ⑦25分で区切る ⑧スマホを別の部屋に置く | 時間が取れない・集中が続かない |
| 読み方を変える | ⑨ジャンルで読み方を変える ⑩要約サービスで下見する ⑪電子書籍を使う ⑫オーディオブックで聴く | 読むのが遅い・最後まで読めない |
本を選ぶコツ4つ|1冊目で挫折しない基準
① 本を読む目的を1つ決める
楽しむために小説を読むのか、仕事の課題を解決するためにビジネス書を読むのか。目的が違えば選ぶ本も読み方も変わります。「教養をつけたい」のように広い目的だと本が決まらないため、「今月の商談で使える言い方を知りたい」程度まで具体化してください。
② 興味のあるジャンルから選ぶ
普段あまり本を読まない人が、名作とされる本から始めると、内容に興味が持てず途中で止まります。趣味・仕事・いま困っていることなど、身近なテーマから入るのが続けやすい方法です。書店や出版社のサイトでジャンル検索ができますが、可能なら書店で数ページ読んで文体を確かめてください。
③ 図やイラストの多い本を選ぶ
文字ばかりのページが続くと、読む速度が落ちて達成感も遠のきます。1ページ全部を使って図解している本や、大人向けの絵本は、内容を落とさずに読み進められます。1冊読み切った経験があると、次の本のハードルが下がります。
④ 薄い本から始める
ページ数は挫折率に直結します。150ページ前後の本なら、1日10ページでも半月で終わります。分厚い本を1冊抱えるより、薄い本を3冊読んだほうが読書は習慣になりやすいです。
時間を作るコツ4つ|続かない原因の1位はスマホ
文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月公表)では、読書量が減っていると答えた人は69.1%。その理由の内訳は次のとおりで、上位2つが時間の問題です。
| 読書量が減っている理由(2つまで回答) | 割合 |
|---|---|
| 情報機器(スマホ・パソコン・ゲーム機等)で時間が取られる | 43.6% |
| 仕事や勉強が忙しくて読む時間がない | 38.9% |
| 視力など健康上の理由 | 31.2% |
| テレビの方が魅力的である | 19.8% |
同調査では、情報機器を理由に挙げる割合は年齢が低いほど高く、16〜19歳では70.9%、20〜30代でも6割台でした。読書時間はスマホと競合しているという前提で対策を組むのが現実的です。
⑤ 読む時間を先に決める
「空いた時間に読む」では空きません。就寝前の10分、昼休みの15分のように、1日のどこで読むかを固定してください。時間帯を決めると、読む場所と姿勢も一緒に決まるので準備が要らなくなります。
⑥ 隙間時間の10〜20分を使う
通勤中、家事の合間、寝る前。10〜20分の細切れでも、1日20分読めば月に10時間になります。単行本1冊が3〜5時間で読める分量とすると、月20分×毎日で2冊前後のペースです。まとまった時間を待つ必要はありません。
⑦ 25分で区切る(ポモドーロ・テクニック)
ポモドーロ・テクニックは、25分の作業と5分の休憩を1セットとして繰り返す時間管理法です。集中が切れる前に区切るため、読書にも流用できます。タイマーアプリで25分を計り、鳴ったらページを閉じて休む。この形にすると、読み始めるまでの心理的な負担も軽くなります。
⑧ スマホを別の部屋に置く
読書量が減る理由の1位が情報機器である以上、ここが最も効きます。通知を切るだけでは手が伸びるので、机の引き出しか別の部屋に物理的に離すのが確実です。調べ物が必要な本なら、メモに書き溜めて読み終えてからまとめて調べます。
環境そのものを整える方法は「読書環境の整え方|明るさ・温度・音の目安と集中できる部屋の作り方」で、明るさや室温の目安まで具体的にまとめています。
読み方を変えるコツ4つ|全部を通読しなくていい
⑨ ジャンルで読み方を変える
どの本も最初から最後まで同じ速度で読む必要はありません。小説は筋を追って通読する本ですが、ビジネス書や実用書は目次で必要な章を選んで読む本です。同じ「読書」でも作業が違うと考えると、切り替えが楽になります。
- 小説・エッセイ…通読する。分からない語を飛ばしても筋は追える
- ビジネス書・実用書…目次で章を選ぶ。序章と終章で全体の主張をつかむ
- 学術書・専門書…章ごとに要約を書きながら進める。速度は落として構わない
小説の読み方は「小説の読み方のコツは?より読書を効果的に楽しむための5ステップ」で詳しく解説しています。
⑩ 要約サービスで下見する
ビジネス書や教養書を1冊約10分の要約で読めるサービスがあります。買う前の下見に使えば、目次だけでは判断しきれない内容の濃さを確認できます。話題の本を試し読みする用途にも向きます。サービスごとの違いは「本要約アプリおすすめ3選を徹底比較|料金・選び方・メリットを解説」で比較しました。
⑪ 電子書籍を使う
電子書籍なら、読みたいと思った時点で読み始められます。スマホやタブレット1台に何冊も入るため、外出先で読む本を選べるのも利点です。文字サイズを変えられるので、小さい活字が読みにくい場合の解決策にもなります。
⑫ オーディオブックで聴く
手も目もふさがっている時間に読書を差し込めるのがオーディオブックです。家事の合間や移動中に、ナレーターが朗読した本を聴けます。オフライン再生に対応したアプリなら、通信環境を気にせず使えます。
向く本と向かない本があり、筋を追う小説は聴きやすい一方、図表の多い実用書は不向きです。使い分けは「オーディオブックは意味ない?メリットや使い方などについて解説!」で整理しています。
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読書中の音楽は「歌詞のないもの」が無難
音楽をかけるなら、器楽曲やジャズのように歌詞のない曲、または歌詞の意味を追いにくい曲が無難です。日本語の歌詞は文章と同じ言語処理を使うため、本の文字と競合しやすい傾向が見受けられます。
ただし合う音量や種類には個人差があり、無音のほうが読める人もいます。音楽配信サービスの読書用プレイリストを試して、自分の当たりを探すのが早いです。詳しくは「読書中の音楽は集中を妨げる?歌詞ありなしの違いとおすすめBGM9選」で解説しています。
姿勢は「本を持ち上げる」より「目線を上げる」
猫背のまま長く読むと、首と肩に負担が集中します。血流や脳の活動量まで含めた因果は確認できていませんが、疲れが早く出て読書時間が短くなるのは実感しやすいところです。
対策は、本を持ち上げて姿勢を保とうとするより、ブックスタンドで本を目線に近づけることです。手が空くのでメモも取れます。椅子は背もたれと座面の奥行きが体に合うものを選んでください。
読書で得られるもの3つ

考える材料が増える
本から得た知識は、判断に迷ったときの材料になります。同じ問題に対して複数の考え方を知っていると、選択肢を比べてから決められます。ビジネス書だけでもマーケティング・IT・組織など幅が広く、仕事に近い分野から選べます。
気分の切り替えに使える
ミネソタ大学の健康情報サイト「Taking Charge of Your Wellbeing」(Earl E. Bakken Center for Spirituality & Healing 運営)は、読書とストレスの関係について複数の研究を紹介しています。そこでは、黙読が筋肉の緊張を和らげ心拍数を下げるという2009年の研究や、読書が感情状態を改善し仕事のストレスを軽減しうるという2024年の研究が挙げられています。
ミネソタ大学自身が実施した研究ではなく、既存研究を紹介する解説ページです。効果を保証するものではありませんが、本の世界に入る時間が気分の切り替えになるという点は、無理のない読み方の理由になります。
移動時間が読書時間になる
紙の本でもスマホでも、移動時間はそのまま読書時間に変わります。座れない電車内なら電子書籍、歩いている間ならオーディオブック、というように手段を変えれば、通勤の往復だけで30分前後を確保できます。
監修者の視点:速く読むより、区切って読む
田中寛大大学院で学術書を読み続けた時期に効いたのは、速く読む技術ではなく、区切って読む習慣でした。1章ごとに数行の要約を書いてから次へ進む。この一手間を入れると、読み返す回数が減って結果的に速く終わります。
もう一つは、読む手段を1つに絞らないことです。私はAudibleを4年以上・累計約2,900時間(2026年7月時点)聴いていますが、紙で読む本と聴く本は分けています。筋を追う小説は聴いても入りますが、図表の多い本は紙のほうが早いです。
紙で読めない日は聴く、と手段を切り替えられるようにしておくと、読書が途切れにくくなります。読む時間が足りないというより、その日に使える手段が1つしかないことが原因になっている場合もあります。
読書のコツについてよくある質問
- 読書のコツを1つだけ挙げるなら何ですか?
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読む時間を先に決めることです。「空いた時間に読む」では時間は空きません。就寝前の10分や昼休みの15分のように1日のどこで読むかを固定すると、読む場所と姿勢も一緒に決まり、準備の手間がなくなります。
- 読書が続かないのはなぜですか?
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時間が取れないことが最大の要因です。文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」では、読書量が減っている理由として「情報機器で時間が取られる」が43.6%、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が38.9%でした。スマホを物理的に離すことが対策になります。
- 本を読むのが遅いときはどうすればいいですか?
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ジャンルごとに読み方を変えてください。小説は通読が前提ですが、ビジネス書や実用書は目次で必要な章を選んで読む本です。全ページを同じ速度で読もうとすると時間がかかり、途中で止まりやすくなります。
- 読書中に音楽を聴いてもいいですか?
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歌詞のない曲であれば問題になりにくいです。日本語の歌詞は本の文章と同じ言語処理を使うため競合しやすい傾向があります。ただし個人差が大きく、無音のほうが読める人もいるので、実際に試して決めてください。
- 1日何分読めば読書習慣になりますか?
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まず1日10〜20分から始めてください。1日20分でも1か月で約10時間になり、単行本1冊を3〜5時間で読む計算なら月2冊前後のペースです。25分で区切るポモドーロ・テクニックのように、短く切ることが続ける条件になります。
まとめ:詰まっている1か所だけ変える
読書のコツは12個挙げましたが、全部やる必要はありません。本が決まらないなら目的を1つ決める。時間がないなら読む時間を固定してスマホを離す。読み終わらないならジャンルで読み方を変える。詰まっている1か所だけ変えるのが早道です。
紙で読めない日は聴く、というように手段を複数持っておくと途切れません。ほかの切り口は「本の読み方のコツ4選!読書を楽しくする方法や習慣化する方法も紹介」でも紹介しています。











