ブックフォールディングとは、本のページを1枚ずつ折って、小口(本の側面)に文字や絵柄を浮かび上がらせる立体アートです。作り方は「折るだけ」と「カット&フォールド(切り込みを入れて折る)」の2種類があり、必要なものは本・設計図(パターン)・定規の3つだけ。はさみを使うかどうかは選んだ方法によって変わります。
この記事では、2つの方法の違い、初心者向けの作り方5ステップ、向いている本の選び方、設計図の入手方法までまとめます。
ブックフォールディングとは?

ブックフォールディングとは、本のページを折り曲げながらさまざまな形を作り上げてゆく立体アートです。
ブックフォールディングと聞いて聞きなれない人は多いでしょう。
近年世界的に注目を浴びている新しい形のアートであり、SNSを通じてその魅力が広がり始めています。
作られる形は文字や円形や四角形にとどまらず、動物や地図などレパートリーが豊富で高い再現性が魅力。
基本となるのは、はさみを使わずページを折るだけで形を作る方法です。より細かい図柄を出したい場合は、ページに切り込みを入れてから折る「カット&フォールド」という方法も使われます。
なお、紙を折るアートだけでなく、写真や装飾パーツを貼り合わせてアルバムを作るペーパークラフトにも興味がある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
スクラップブッキングとはについては、下記の記事で詳しく解説しています。

全てのページに細かく印をつけ、印に合わせて一枚一枚折り曲げていく、工程そのものはシンプルな手芸です。ただし緻密な作業なので、集中して手を動かし続けられることが条件になります。
ブックフォールディングの2つの方法
作り方は大きく2種類に分かれます。初めて作るなら「折るだけ」から始めるのが無難です。
| 方法 | はさみ | 1ページあたりの折り目 | 向いている図柄 |
| 折るだけ (フォールドのみ) | 使わない | 上下2か所 | 文字・ハート・シルエットなど輪郭のはっきりした形 |
| カット&フォールド | 使う | 数か所〜多数 | 顔・動物・地図など、線が入り組んだ細かい図柄 |
カット&フォールドは1ページに何か所も折り目を作れるため、少ないページ数でも細かい図柄を表現できます。その代わり、印をつける箇所も切る箇所も増えます。
ブックフォールディングの作り方【5ステップ】
もっとも基本的な「折るだけ」の手順です。
- 本を選ぶ…背が柔らかく、開いたときに平らになる本を選びます
- 設計図(パターン)を用意する…作りたい図柄のパターンを印刷します
- 各ページに印をつける…パターンの数値に合わせ、定規でページの上端からの位置に印をつけます
- 印に合わせて折る…上下の角を印の位置まで折り込みます。1ページごとに繰り返します
- 全ページ折り終えたら形を整える…本を立てて、折り目の面がそろっているか正面から確認します
必要な道具は3つだけ
- 本…折る対象。読み終えた本や、状態が悪くて読みにくくなった本でも使えます
- 設計図(パターン)…市販のキットに付属するほか、海外にはパターンを配布・生成できるサイトもあります
- 定規…印をつける位置を測ります。折り目をしっかりつけたい場合は、ヘラ(ボーンフォルダー)や爪の腹を使います
向いている本の選び方
ページ数は250〜500ページ程度が目安とされます。折るページが多いほど図柄は細かくなりますが、その分だけ作業量も増えます。
- 背が柔らかく、開いたときに平らになる本(文庫本・ペーパーバックなど)
- 紙にコシがあり、折り目がきれいに残る本
- 光沢紙のページは折り目がつきにくいため避ける
そのブックフォールディングが話題となるきっかけを作った1人が、D.Hinklay(ディー・ヒンクレー)氏です。
SNSに作品を投稿し続けたことで海外メディアや国内テレビでも取り上げられ、作品は海外を中心に累計40か国以上で販売されています(MODELLISTAのブランドサイトによる)。折り紙の原理を応用した作風で、切ったり貼ったりせずに折りだけで造形する点が特徴として紹介されています。
個展も開催しており、実際に作品を購入することも可能です。
一見難易度が高いようにも見えますが、初心者でもチャレンジできるキットが販売されています。
興味が湧いた人は一度作ってみるとよいでしょう。
監修者の視点:素材にする本は「もう読まれない本」から選ぶ
田中寛大本を折ってしまうことに抵抗がある、という声は当然あると思います。オンライン古書店を運営していた時期は、扱う本を状態の良いものに絞っていたので、読める本と読めない本の線引きはかなり細かく見ていました。
その経験からいうと、日焼けや水濡れで読み手がつきにくくなった本と、まだ読まれる本は分けて考えたほうがいいです。ブックフォールディングの素材にするなら前者から。読める状態の本をわざわざ折る必要はありません。
本まわりの小物をそろえたい方は「しおり(ブックマーカー)のおすすめ10選!おしゃれな人気アイテムを厳選して紹介」もあわせてご覧ください。
ブックフォールディングに関するよくある質問(FAQ)
- ブックフォールディングにはさみは必要ですか?
-
基本の「折るだけ」の方法なら必要ありません。
ページの上下2か所に印をつけ、その位置まで角を折り込むだけで図柄ができます。顔や動物のような線の細かい図柄を作りたい場合は、切り込みを入れてから折る「カット&フォールド」という方法を使います。初めて作るなら、はさみを使わない方法から始めるのがおすすめです。
- どんな本が向いていますか?何ページくらい必要ですか?
-
背が柔らかく開いたときに平らになる本で、250〜500ページ程度が目安とされます。
文庫本やペーパーバックのように背がしなる本が扱いやすく、光沢紙のページは折り目が残りにくいため向きません。ページ数が多いほど図柄は細かくできますが、その分だけ折る作業が増えます。
- 設計図(パターン)はどこで手に入りますか?
-
市販の初心者向けキットに付属しているほか、海外にはパターンを配布・生成できるサイトがあります。
設計図には「何ページ目のどの位置を折るか」が数値で並んでいます。パターンごとに必要なページ数が決まっているため、本を用意する前に、そのパターンが何ページの本を前提にしているかを確認してください。
- 初心者でも作れますか?どのくらい時間がかかりますか?
-
作れます。工程は「印をつける」「折る」の2つだけで、特別な技術は要りません。
ただしページ数だけ同じ作業を繰り返すため、必要なのは器用さより集中力と時間です。まずは文字1文字やハートなど、折る範囲が限られた図柄から始めると完成させやすくなります。
ブックフォールディングを楽しもう
ブックフォールディングは、一度見ると本当に本を折るだけで作っているのかと疑いたくなるほどインパクトがあります。
用意するのは本・設計図・定規の3つだけ。手順も「印をつけて折る」の繰り返しなので、初めてでも始められます。
気になる人はSNSでさまざまな作品を見てみてください。











